テイケン

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こちらではトイシについて詳しく説明します。

■砥石とは??

砥石(トイシ)は主に以下に分かれます。

砥石…研磨用材料(grind-stones)

砥石車…研削作業に用いる砥石、研削盤に取付けて工作物を加工する(grinding-wheels)

一般家庭で包丁を研いだりするトイシは前者、主にテイケンが製造しているのは後者です。

しかし、一般的にはこちらも「砥石(トイシ)」と呼びます。

研削とは、トイシの粒子で工作物の表面を削り取り、その面を平滑にし、精密仕上げ、刃物研ぎなどをする作業です。

研削は身近なモノについて行われています。たとえば、鉄板を溶接した後を削って平らにする、金属の塊を削り出して装飾品や金型を作る、丸棒を削って太さをそろえるなど、一般雑貨から電子機器まで、パチンコ玉からタンカーまで、想像できないものがトイシを使って作られています。

■トイシの三要素

トイシは3つの要素、砥粒、結合剤、気孔から成り立っています。

その1 砥粒

物を削るためになくてはならないのが砥粒です。砥粒の1つ1つが刃となり、物を削ります。そしてその刃が摩耗して切れなくなると、古い砥粒は脱落して、新しい砥粒が出てきます。

だからトイシは切れ続けます。

その2 結合剤

砥粒を繋ぎ合わせているのが結合剤です。これがなければトイシは形を保てません。かといってあまり強い力で固めてしまうと、砥粒は脱落しなくなり、切れないトイシになってしまいます。

ちょうど良い硬さが大事になります。

その3 気孔

物を削るときに発生するのは、削りカスと摩擦による熱です。それらを解消するために、トイシには無数の穴があいています。大げさにいうと、軽石みたいな形をしています。この穴の中に削ったカスが入り、トイシが回る間に排出されます。もしこの穴が無いと削ったカスの出るところが無くなり、トイシは切れなくなってしまいます。またこの穴は、空気を運んでトイシを冷やす役割もあります。

トイシの気孔は、実は見落としてはいけない非常に大切な役割を担っています。

別ページに説明がありますが、この気孔をテイケンは着目し、独自の気孔生成技術を開発しました。

■表示の見方

トイシの表示はJIS規格で決まっています。

トイシは一般的に次のような表示をするようにJIS(日本工業規格)で決められています。

※JISとは、我が国の工業標準化の促進を目的とする工業標準化(1949年)に基づいて制定される国家規格で、対象は広く、すべての鉱工業製品に対して、形状、品質、性能、生産方法、試験方法などについて、全国的に統一を図るための標準を定めています。

例えば…

1号   A型 305x38x127     WA  46   H    7   V    30   33m/s

形状 縁型 寸法(外径x厚みx孔径) 砥粒 粒度 結合度   組織 結合剤 細分記号 周速度

 

砥粒と細分記号以外は万国共通です。(砥粒についても、一般砥粒(混合砥粒以外)は共通となります) 

形状 …1号~37号

縁型 …A~P

砥粒 …粗粒~細粒

結合度…軟~硬

そ組織…密~粗

結合剤…ビトリファイド、レジノイド

■砥粒について

用途によって砥粒を使い分ける

一般砥粒には大きく分けて2つの種類があります。

1つはアルミナ系砥粒(アランダム)、もう1つは炭化ケイ素系砥粒(カーボランダム)です。

鉄鋼や焼入れ鋼など鉄系材質を削るならアルミナ系

アルミナ系砥粒には褐色アルミナ系(A)、白色アルミナ系(WA)、単結晶アルミナ系(HA)などがあります。

主に鉄鋼や焼入れ鋼など、鉄系材質を削るのに使います。

砥粒は、褐色<白色<単結晶 の順に硬くなり、切れもよくなります。

非常に種類が多く、またよく使われる砥粒です。

石や鋳鉄など硬くもろい材質を削るなら炭化ケイ素系状

炭化ケイ素系砥粒には、黒色炭化ケイ素系(C)、緑色炭化ケイ素系(GC)があります。

主に石や鋳鉄など、硬くてもろい材質を削るのに使います。

砥粒の硬さ自体はC、GC共にほぼ同等で、アルミナ系砥粒よりも硬い反面粘りが無く、鉄を削ると反応して消耗が早くなる、研削面がくもるという欠点があるため、アルミや銅など非鉄金属、超硬合金を削るときに用います。

CとGCを比較すると、砥粒形状がCはシャープ、GCはブロッキーのため、用途に合わせ選びます。

ジルコニアアルミナ砥粒

その他にジルコニアアルミナ砥粒(Z)があります。

非常に粘りがあり、重研削用のレジノイドトイシに用います。

また、アルミナ系と炭化ケイ素系の混合砥粒は、レジノイドトイシでは良く用いますが、ビトリファイドトイシの場合、両者の熱膨張係数の違いから、割れやすくなります。使用する場合は注意して下さい。

超砥粒

超砥粒にはダイヤモンドとCBNがあります。

ダイヤモンドは炭化ケイ素のより硬くなったもの、CBNはアルミナ系のより硬くなったものと考えていただければ良いです。実際使用するときには一般砥粒より、数段粒度の細かいものを使用します。

■粒度について

砥粒の粗さ、細かさを表す”粒度”

砥粒には粗さがあり、その基準が粒度です。

一般的には粗いものはバリ取り、切断などで使用し、細かくなるにしたがって仕上げ用となります。粒度220番までを一般砥粒、それより細かいものを微粉と呼びます。

一般的に同等の使用法で使用すると、ビトリファイドトイシはレジノイドトイシよりも、研削面が粗くなりやすくなります。このため、仕上げ研磨用にはレジノイドトイシが良く用いられます。

また、超砥粒ホイールは一般トイシよりも研削面が粗くなりやすくなります。このため、超砥粒ホイールは一般トイシよりも細目を使用することが多いようです。

自由研削で使用する場合、紙やすりとなどと比較すると、一般的に販売している番手が非常に粗く感じますが、砥粒の突きだし量が少ないことや機械の動作スピードが速いことなどから、思ったよりも細かい面になります。

精密研削で使用する場合の理想的な切込み量は、砥粒の平均砥粒の約1/10以下と言われています。

また、同じ方法で研削を行う場合、外径が大きいトイシは、小さいトイシより接触面積が広くなるため、やや粗目を選ぶことが多いようです。

■結合度について

軟らかいものには硬く、硬いものには軟らかく

トイシの硬さを結合度といいます。

Aがもっとも軟らかく、Zに近付くほど硬くなります。

トイシが硬すぎると目つぶれ、目詰まりをおこし、焼け、ワレ、ひずみなどの原因になります。

逆に軟らかすぎると目こぼれをお越し、振動、くい込み、タタキ、飛ばし、トイシの破壊の原因になります。

一般的に軟らかい加工物には硬いトイシを、硬い加工物には軟らかいトイシを使用します。

トイシ自体は一般的に細目で硬いトイシのほうが丈夫に出来ています。

■組織について

トイシ中の砥粒の割合で決まる

トイシに入っている砥粒の割合は、トイシごとに異なります。

トイシの中にどの位砥粒が含まれているかで、この数値が分かります。50%のときに組織が「6」で、2%砥粒が増えるごとに組織は「1」少なくなり、2%砥粒が減るごとに組織は「1」多くなります。

一般的は研削では組織「7~8」を用います。

また、組織が「10」を超え、大きな気孔を持つトイシを多孔性トイシと呼びます。高速では使用できませんが、目詰まり、焼けに効果的です。

テイケンではドルチェシリーズや、PTシリーズがこれに当たります。

■結合剤について

研削用途によって違う結合剤(ボンド)の成分

トイシを形作る物に結合剤(ボンド)があることはトイシの三要素で述べましたが、結合剤にも様々な種類があります。

ビトリファイド(V)  … 長石、フリットなど(陶磁器)

レジノイド  (R)  … フェノール樹脂、その他合成樹脂

レジノイド補強(BF)…  レジノイドトイシにガラス繊維などの補強材を入れたもの

ゴム     (R)  … 天然・合成ゴム

シリケート  (S)  … ケイ酸ソーダ(水ガラス)

マグネシア  (Mg)… マグネシアアオキシクロライド(マグネシアセメント)

シェラック  (E)  … シェラック(天然樹脂)

現在テイケンではこのうち、ビトリファイドトイシとレジノイドトイシを主に製造しています。

また、マグネシアトイシの代わりとして、エポトイシを製造しています。

このトイシの表示は便宜上「E」となっていますが、実際はレジノイドトイシの一種です。

以上の他にPVA(ポリビニルアルコール)やウレタンを用いたトイシや、超砥粒の場合では、金属を結合剤に用いたホイール(メタルボンドホイール)もあります。

■周速度について

分速か??秒速か??

現在、周速度表示については、2種類の表記があります。

1つはm/min(分速表示)、もう1つはm/s(秒速表示)です。

現在、後者に統一する動きがあり、JIS規格も近年後者となりましたが、機械の表示が前者の場合があるため、両方表記することがあります。

お互いの数値は 60m/min=1m/s で換算することができます。

 

また周速度と回転数は異なります。

周速度(m/s)= トイシの直径(㎜)x 3.14x回転数(rpm)÷ 1000 ÷ 60 となります。

 

トイシに表記されている周速は、最高使用周速度で、決してこの速さを超えて使用してはいけません。

周速度を遅くして使用するのは安全上問題ありませんが、通常の研削トイシは16m/s(1000m/min)以上で使用されることを前提に製造しているため、周速度が遅すぎると極端に効率が低下する可能性があります。

一般的にトイシの周速が速いと硬く当たり、遅いと軟らかく当たります。

■研削方法

意外の多い”削る” ”磨く” 方法

研削・研磨方法にはいくつかの方法があります。その一部をご紹介します。

内面研削

加工物を回転軸の保持しながら回転させ、その加工物内で高速回転する研削トイシによって研削する方式

 

円筒研削

加工物をセンターで保持して円筒状のワークを研削する方法

平面研削

縦軸と横軸があり、ワークをマグネットで固定し、平面を研削トイシで加工する方法

総形研削

トイシ成形し、その形状をワークに転写する研削方式。成形できればどのような形状も可能

クリープフィード研削

深切込みで送り速度を遅くした研削方式であり、研削液は大量に用いる加工

工具研削

ドリル、エンドミル、リーマ、ホブなどの刃付再研磨

カム研削

加工物とマスタカムが揺動台上にあって一緒に回転し、一定位置におかれたマスタローラとマスタカムの接触による揺動運動で所定の形状に加工する方法

プロファイル研削

加工ワーク形状を精密に拡大した原図、あるいはテンプレートにトイシを忠実に追従させて加工する研削方式で、加工形状は投影機で確認

センタレス研削

研削トイシと加工物を送る作用をさせる調整トイシ(コントールトイシ)との間に加工物を入れ、受け板(ブレード)で支持しながら加工物の外周を研削する方法

両頭研削

加工物の平行な二面を同時に研削する方法で、フィードスルー方式とキャリアー(ロータリー)方式、レシプロケート方式がある